2018年 10月 01日 ( 1 )

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この進軍についてかたった朱将軍の話は、まるで、不朽の名作『水滸伝』――すなわち血盟の兄弟の物語――の一節を聞いているような感じであった。
革命が押しつぶされ、むかしからの抑圧的支配階級が復活し、権力を握ってからというものは、ふたたび国中に匪賊どもがうじゃうじゃとむらがっていた。

彼らは絶望した農民たちを自分たちの隊列に引き入れて、それぞれの地方一帯に支配権を打ち立て、多少とも繁栄している地方に対して、血なまぐさい襲撃をつづけていた。

ある夜ある村で、朱徳と一個連隊が眠りこんでいたところ、匪賊の小部隊との戦闘がはじまり、朱徳もかろうじて死地を脱したことがあった。

彼の部隊のある分隊は、本隊に合流しようと迅速に行動をこし、退却する匪賊のすぐ後を追っていった。

ところがさらに、20人ほどの匪賊が、くらやみの中で彼らを仲間だと勘違いして、そのあとについていった。

集合地点について点呼がおこなわれたときはじめて、20人の匪賊は、自分たちが革命軍に取り囲まれていることに気がついたのであった。


「この連中とよく話し合ったのち、われわれは、むかしから匪賊だった連中はそのまま釈放したが、それといっしょにいた貧しい農民たちには、わが軍に参加するようにすすめた。
そして彼らはわれわれといっしょになった」と朱将軍は説明した。

「あちこちいたるところで、われわれは国民党軍の小部隊と遭遇したり、その噂を聞いたりした。
当時彼らは、何の目標ももたずに国中をうろつきまわっていた。
彼らは、われわれが近づくと、すぐ逃げてしまうので、彼らと話し合うことはできなかった。

桂陽についてまもなく、われわれは、強力な武器をもった広西軍一連隊の兵力が近づいている、という情報を得た。

このような強力な部隊とまともに戦闘することは、不可能だったので、われわれは桂陽の町を撤退して、山岳地帯のあいだに布陣した。
しかし、これらの軍隊は結局、彼らの郷里へ帰る途上にあった一連隊のうちの、ばらばらになった一部の兵力にすぎないことがわかった。
われわれが探りえたところでは、全員が脱走兵であった」



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by far-east2040 | 2018-10-01 09:00 | 第6巻「土地革命の開始」改編