f0364260_17450248.jpg


勝ち誇った革命軍は、そこで、
宜章帰って、ソビエトを再建した。

他方、朱徳は、軍閥唐生智将軍が11個中隊をもって守っていた郴(ちん)県の県城へ向かって、2、3百の古参兵をひきいて北進した。

その途上で、郴県城内で情勢をかぎつけた一群の農民と出会った。

彼らは、朱徳にこう報告したーー


「郴県にいる軍閥唐生智将軍の11個中隊のうち6個中隊は、旧式の傭兵ではありません。
やつらは、徴兵された小学校や中学校の生徒たちで、将校にするために独立訓練隊にいれられた連中です。
大部分は、20歳以下で、16、7歳の子どももすこしいます。
彼らの待遇は良好で、なかには、将来自分は将校になるんだと、誇りにしているものもいます。
この6個中隊は、いま郴県を出て、あなた方と戦うために、宜章へ向かって進軍をはじめたところです。

この戦闘が、やつらの最初の戦闘になるわけです。
しかもやつらは、あなた方を匪賊と思いこんでいますから、おびえさせたらかえって戦うでしょう。
やつらだけきりはなして捕虜にしてはどうですか、もし刃向かってくれば、そのときは殺してしまえばいいじゃないですか?」


腰に手をまわして、つっ立ったままじっと聞いているうちに、朱徳の目はきらきらと輝いてきた。
いっしょに立っていた陳毅やほかの参謀たちにむかって、朱はこう話しかけたーー


「学生6個中隊――しかも、すでにもうなんらかの軍事訓練をうけている! 
われわれは、ちょうど、そういう連中を必要としているんだ。
われわれは、連中を宜章につれていって、再訓練することができるし、それから、わが軍に参加しろと要求することもできる」


合図におうじて、兵隊たちは、彼をぐるりととりかこみ、小銃を膝に抱いて、野っぱらに腰をおろした。
そこで、朱徳と陳毅は代わる代わるに立って、この6個中隊を革命軍に加えることが、革命にとっていかに大切なことであるかということを説明した。

この6個中隊を待ち伏せし、武装解除し、ひとりの死傷者も出さずに捕虜にしなければならない。
彼らを、あたかも道をふみあやまった兄弟にたいするように、とりあつかわねばならない。
戦闘がはじまったとき、まっさきによびかけるスローガンは「兄弟たち! 革命は諸君を歓迎する!」という言葉ではじめるべきである。
こういうことは、まず最初に学生たちを混乱させ、まごつかせ、おそらく、彼らを戦えなくしてしまうだろう。



[PR]
by far-east2040 | 2018-09-21 09:00 | 第6巻「土地革命の開始」改編