2018年 09月 02日 ( 1 )

f0364260_14422342.jpg


わが軍はいまや、危険地帯にはいり、海岸にある敵軍から攻撃されやすい距離にはいっていた。
いまや行動の迅速さが一切を決定する。

夜中の一時に汀州を出発した彭湃は、「鉄軍」をみちびいて、彼の故郷である広東省東江地方へ向かって、真南へ強行軍をおこなった。

この東江地方こそ、かつて逸仙の保護のもとに、最初の農民組合と農民自衛隊が生まれた土地である。

だが今では、この地方の農民運動は地下に追いこまれ、「虎地主」と武装部隊である民団が再び覇権をにぎって、血なまぐさい勝利をほこっていた。


彭湃の前衛隊から出た斥候兵たちは、猟犬グレイハウンドのような速さで行動をおこし、たちまち福建―広東省境をこえて、村々のあいだに、「鉄軍」が来るぞ、という言葉をひろめていった。

すぐそのあとから次から次へと、迅速に行動する諸部隊がつづいた。
たちまち殺到したこれらの部隊は、その途上で、地主の民団を破滅し、粉砕しつつ、省境を越えて、有名な
東江地方にはいっていった。


汕頭港で海にそそぐ韓江に沿って南下しはじめた瞬間から、朱徳の部隊の行軍はお祭りのようになった。

はじめは小さな農民の群れだったのが、だんだん大きな集団になってゆき、男も女も、考えられるかぎりのありとあらゆる武器をもって出てきて、部隊を迎え、部隊に加わった。
彼らは行軍しながら、ひどくみじめな生活を訴えた。

どの村もどの村も、食糧と飲みものを用意して部隊を待っていた。

韓江の岸辺には、部隊を渡河させるために数百の船頭が集まっていた。

この岸辺で、部隊は行軍を中止し、汕頭攻略の作戦計画をねった。

すでに国民党軍一個師団は集結を終わって待機していて、もう一個師団が南から北上中であった。


農民は、それぞれ米や野菜のはいったかごを天秤棒でかついで、いくつもの長い列を作って、野営地へやってきた。

彼らはみんな、目を輝かせて、こういったーー


「お前さんがた、とうとうきてくれましたな! とうとうきてくれましたな!」


船頭たちが、つぎからつぎへと、汕頭から川をさかのぼってきて、敵軍の防衛準備の情報をもってきた。

汕頭港内には、英国の砲艦があり、国民党軍の将校たちがその砲艦に出入りしているという警報もはいった。

国民党軍の別の諸部隊が、海上から汕頭に上陸するという噂もひろまっていた。

北方からやってきた農民たちは、別の敵軍一個師団が福建省を南下中だという警報をもってきた。



[PR]
by far-east2040 | 2018-09-02 09:00 | 第6巻「土地革命の開始」改編