湖南省での農民ゲリラ 『偉大なる道』第6巻④ー2

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湖南省は、農民たちが「郷紳」と総称している、中国で最も残忍な幾人かの「虎地主」どもの領地として有名であるが、このときすでに、農民の反乱は、湖南じゅうを震撼させていた。

必死になった農民たちは、毎晩のように、闇にまぎれて、民団の哨兵をねらいうちにし、その武器をうばって武装し、「郷紳」の邸宅を襲撃した。
するとこんどは「郷紳」どもが、彼らの民団をひきつれて、眠りについた村々をおそい、農民の指導者をつかまえて、殺し、その首を棒の先につきさして、さらに、おそろしい見せしめにした。
それは、どちら側にもまったく容赦のない無慈悲で残忍な闘争であった。
ぼろをまとった農民たちは、襲い、戦い、そしてのろいの言葉をはきながら死んでいった。

このとき南湖南の数百の村々で演じられた数多くの悲劇は、後年、この筆者自身が目撃したことーーつまり、地主と彼らの下僕どもが、日本帝国陸軍と協力して、その日、軍に対して行動する、主として農民からなる共産ゲリラ隊と戦った事実とまったく同じものであった。


食糧もかくれ家もなく、負傷者をかついで、農民反乱者たちは、夜中になってから、眠りについた村へこっそり入ってゆく。
つっかえ棒で押さえてある扉をトントンたたきながら、おし殺した低い声でいうーー


「仲間だろ、あけてくれ! おれたちは農民自衛隊だ。
宿をかしてくれないか!」

ふかい静寂が村中をおおっている。
どのあばら屋も、じっと耳をすましている。
だがまだ、ことりとも音がしないし、一筋の光ももれてこない。
小屋の内側では、夜も昼も区別なくいつもぼろ服を身につけている男や女たちが、わらの寝床から黙ってそっとはいあがり、扉のところの物音に、じっと聞き入っている。
女たちは男の耳元でそっとささやくーー


「あけてはだめ! 地主のウーや民団かも知れないよ!」


もう一度、農民ゲリラは、扉をたたき、さし迫った声でいうーー


「仲間だろ! 
おれたちは、民団とたたかってきたんだ。
おれたちは負傷しているんだ」



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by far-east2040 | 2018-09-18 09:00 | 第6巻「土地革命の開始」改編