最高指揮者蔡鍔准将 『偉大なる道』第2巻④ー3

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  蔡鍔准将(Wikiより借用)


計画は裏切りによってもれたので、新たに命令を出して、新軍の全部隊は9時に首都に向かって進撃せよ、ということになった。


「われわれは、いったい何が起こっているのかはっきりとはわからなかった」と朱将軍はいった。
「ただ、非常に緊迫した空気だったので、われわれの身は引きしまった。
そのとき急に、どこかの村から銃声がおこった。
私の中隊長は帝政側の男だったが、二個小隊をつれて、闇にまぎれて逃げ出した。
私はのこりの一小隊を指揮して、そのあとを追った。
狩りたてて、兵士の大部分は連れもどしたが、隊長と何人かの兵は逃がしてしまった」


9時前に、すべての兵は、清朝への隷属の象徴であった弁髪を切りおとし、真ん中に「漢」の字をつけた赤い旗をかかげ、あらかじめ定められた集結点にあつまった。

9時きっかりに、蔡鍔准将が同盟会の指導者たちを引きつれてあらわれ、最高指揮者の地位についたことを見て、朱徳はおどろいてしまった。


蔡は、彼独特の冷静でするどい声で、てきぱきと短い演説をした。
余は同盟会によって最高指揮官にえらばれ、新軍がただちに雲南における清朝支配を打倒し、すでに北京からの独立を宣言して共和派軍政府を樹立した13省に加わる、というのであった。

蔡は、わずかな事故もないことをたしかめるために検閲をしながら、何か報告すべきことがあるものはないか、とたずねた。
朱徳は、前に出て敬礼して、中隊長が二個小隊を連れて逃亡したが、自分が一小隊をひきいて追い、兵の大部分を取りもどしました、と報告した。

蔡鍔は、朱に、その中隊の指揮をとることを命じた。


「ただちに首都に進撃した」と朱将軍はいった。
「途中の村々に駐屯していた旧式軍のなん隊かは、つぎつぎにわれわれといっしょになった。
もちろん、いくらかは逃げた。
わずか2マイルほど行ったところで、『匪賊を弾圧せよ』という命令を蔡鍔に伝えるために総督が送った騎兵連隊に出会った。
蔡が、どこへゆくつもりなのか、とたずねると、その隊長は、蔡鍔への命令を伝達しにゆくのだ、と答えた。
蔡はいった。


『自分が蔡鍔准将だ』

『どこへ向かわれるのでありますか』とおどろいて、騎兵連隊長はたずねた。

『雲南府に進撃して、満州を倒し漢族をおこすのだ』と蔡は答えた。

『お前も漢人だ。……合隊せよ』



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by far-east2040 | 2018-04-05 09:00 | 第2巻「革命への道」改編