中国共産党の飛躍 「ひとつの秘密の兵器」②ー3

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中国共産党22周年記念日の7月1日と1週間後の抗日戦6周年記念日に、記念日の恒例として朱将軍は演説や論文を発表して、華北の人民と軍隊の士気を励ました。


中国共産党は、発展して一億に近い人民を抗日戦に動員するまでになったが、こうした党が中国に生まれたのはなぜだろうかと彼は7月1日の講演でたずねた。

そして彼は、「労働運動と人民の民主主義運動の成長、発展と科学的社会主義の結合」があったからだと説いた。

この結合が「進歩的理論に導かれる党、中国革命完遂の任に耐える力と展望をもつ党」を生みだした。


さらに続けて、中国共産党は「数千の歴史をもつ中国文化の最良の伝統を受け継いだ」とのべたが、それは勤勉と忍耐と学問に対する尊敬を指している。

また党は「大革命と土地革命と抗日戦争との経験をつんで内容的に成長した」この「他と比べようもない激しい鍛錬の過程で、わが党はマルクス・レーニン主義を中国化し、われわれの歴史的遺産を中国社会が当面必要とされることに適合させた」と語った。


民主主義に反対する国民党の宣伝に答えて、このようにのべた。


「われわれの経験からいって、渇いた人が水をほしがるように、飢えた人が食べ物をほしがるように、人民が民主主義を欲していることははっきりしているし、民主主義を人民がことわったためしは聞いたことがない……全国的に民主主義が実行されれば、国内の抗日勢力は自由にしかもおどろくほど発展するだろうと信ずる……もっとも、旧社会の低い生活のため、中国人民の大多数が文盲なことは事実だ。

そこでわれわれは教育工作に最大の注意をはらってきた。

この大きな学習運動は、歴史にもかつてない規模のものである」


7月7日には、朱将軍は抗日戦争6年間の成果について演説した。

その報告によると、この間に八路軍と新四軍のこうむった損害は38万人で、敵にも大体同じくらいの損害を与えている。

この損害は大きいが、「党と軍と人民は、華北の様相を一変させ、国内のあらゆる進歩的勢力の思想に影響を与えた。

われわれは人民の抗日政府を樹立したが、それは本質的に民主的な政府であり、人民の自由行動と人権、財産権、政治的権利の保護ならびにその完全な享有を保証している」


このような成果をあげることができたのは、「われわれが簡素で優秀な軍隊と能率的な政府をつくったからであり……われわれが降伏よりもむしろ死を選んだからである」


「われわれの力と権力とはすべて人民からくる」と彼はつづけた。

「そしてわれわれの方策手段は、すべて人民がつくりだしたものである。人民の力を頼りにして、われわれは敵を打ちまかし、あらゆる困難を克服した。われわれはただひとつの秘密兵器をもっているーーそれは人民との完全な結合である。われわれがもし、大衆から孤立していたとしたら、とっくに失敗していたにちがいない」


では漢口陥落以後の国民党の業績は何だったのかと彼は自問自答する。

それはあらゆる民主的勢力に対するテロ、中国史上最も恥知らずな腐敗、敵との秘密取引、そして内戦のための準備であった。


朱将軍のこの答えは単なる宣伝ではなかったことは、その年の秋、連合国の代表が重慶政府に内戦をやめるよう直接申し入れた事実が証明した。

もし内戦が続くならば、国民党は日本と講和したにちがいなかった。


紫字はアグネス・スメドレー著 阿部知二訳『偉大なる道』より抜粋


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by far-east2040 | 2017-06-03 20:46 | 朱徳の半生(改編後削除予定)